公務員の学校事務職員になるには|仕事内容と採用試験の概要&対策
公務員の学校事務職員になるために必要な採用試験の概要と対策について述べていきたいと思いますが、学校事務職員は公務員の中でもマイナーな職種なので、先に仕事内容についても記していきます。
なお、本記事は学校事務職員のなかでも、公立小中学校の学校事務職員を特集しております。
大学職員についてはこちらの記事を参照してください。
公立小中学校事務職員(公務員)の仕事内容
皆さんが小学生の時に事務職員の方がいたのを覚えていらっしゃいますか。
私は覚えていませんでした。というより学校事務をやられている職員がいることすら知りませんでした。
多くの方にとって、学校事務職員の存在は薄いと思いますが、仕事内容については多岐にわたります。
【具体例】神奈川県の学校事務職員
仕事内容について、わかりやすく掲載されていた神奈川県の採用ページを見てみると、下記のように記載されています。
学校において総務、財務、経理などの事務を行います。具体的には、教職員の給与支払事務、教材などの購入や教育施設の維持など、学校運営を支える業務を行います。
このページの「先輩職員からのメッセージ」でも書かれていますが、学校事務職員は大規模校を除いて、各学校に1人であることがほとんどです。
普通の会社であれば、総務部や経理部、人事部など複数の部署で複数の担当者が行う仕事を、一人で担当することになります。
それぞれの仕事自体は、大きな会社の仕事内容より簡単ですが、幅広い分野の仕事を行う必要があるため、一通りできるようになるまでが大変です。
一方で、一度仕事をマスターしてしまうと、学校間移動はありますが、部署移動はないため、同じ仕事を繰り返すことになるのは、覚悟しておいたほうが良いかと思います。
配属先についても採用ページで確認すると、
任用は、神奈川県教育委員会ですが、市町村立学校に配属され、市町村の職員となります。また、異動に際しては、他市町村への異動もあります。
と記載があり、
配属先例として、
県内(横浜市、川崎市及び相模原市を除く)の市町村立小・中学校等
と書かれています。
横浜市と川崎市、相模原市が除かれているのは、それぞれの市で独自採用をしているためです。
神奈川県以外でも、横浜市などのような政令指定都市については、都道府県の採用試験ではなく、各市で試験が行われています。
面接対策にも有効な現役学校事務職員の本
もっと具体的に学校事務職員の仕事について知りたいという方には、下記の2つの書籍がおすすめです。
1冊目は、現役の学校事務員が自身の仕事についてまとめた本です。
学校事務の仕事に誇りをもって取り組まれている方の本なので、学校事務の仕事内容を知るとともに、どんなことにやりがいを持っているかを読み取ることができます。
2冊目は、著者が現役の学校事務員22名に協力を得て、仕事内容や仕事についての悩み・やりがいについて書かれた本です。
特徴としては、事務員の年代順に文章が掲載されており、年代によって異なる視点で学校事務について語っているため、生涯を通した学校事務の仕事を想像することができます。
上記2冊の本を読むことで、詳しく学校事務員の仕事を知ることができ、実際に働いた際のことを想像しやすくなります。
普通なら、仕事をしてみないと、本当のやりがいや悩みというのはわからないものですが、現役で働かれている方の声を聴くことで、それらを知ることができるのは大変貴重です。
また、面接で本を読んだことを伝えれば、本気で学校事務を目指していることが伝わるので、面接対策にもなります。
学校事務を目指そうと思っている方には、是非とも読んでいただきたいと思います。
公立小中学校事務職員の採用試験の内容(公務員試験)
上記で紹介したように、採用試験は都道府県主体のものと政令指定都市等の市主体のものがあります。
また、試験区分は大卒程度と高卒程度に分かれていることが多いです。
試験内容としては、筆記試験と面接試験になりますが、具体的な内容は自治体によって異なりますので、志望している自治体のホームページを確認してください。
【具体例】京都府の学校事務職員の採用試験
ここで試験のイメージを沸かせるために、具体例として、2018年度の京都府の採用試験を紹介しておきます。
採用試験の内容は京都府のホームページに掲載されている試験案内から引用しています。
採用試験の流れ
試験の日程
受験受付期間:2018年8月10日~8月24日
第1次試験(筆記):2018年9月23日(日)
第1次試験(口述試験):2018年10月上旬
第2次試験:2018年10月下旬~11月中旬
最終合格時期:2018年11月26日
試験区分・受験資格・年齢制限・採用予定数
試験区分:学校事務職員A(大卒向け)
受験資格:大学卒業または大学卒業予定の方。
年齢制限:2019年4月1日時点で26歳以下
採用予定数:15名程度
※年齢制限は30歳前後になっている自治体も多くあります。
試験区分:学校事務職員B(高卒向け)
受験資格:Aの条件に当てはまらない方(大卒以外)
年齢制限:2019年4月1日時点で18~23歳
採用予定数:5名程度
第1次試験(教養の試験科目)
試験内容:教養試験・作文・集団面接
試験日:2018年9月23日(日)および10月上旬
教養試験の内容は下記の表のとおりです。
人権という科目は珍しいので、他自治体では科目としてはないと思います。
また、出題数も京都府は45問ですが、40問の所や50問の所もあります。
このように、自治体ごとに科目や出題数も異なりますので、注意してください。
第2次試験
試験内容:適性検査・個別面接
試験日:2018年10月下旬~11月中旬
適性検査と面接試験の内容については、別記事で紹介しています。
京都府の場合は、筆記試験に教養試験と作文が課されていますが、自治体によっては専門試験が加わることもあります。
繰り返しになりますが、試験内容は自治体によって異なりますので、それぞれの採用案内を確認するようにしてください。
教養試験や専門試験について知る
また、「そもそも教養試験や専門試験って何?」という方は、公務員試験の基本的な知識を得る必要があります。
こちらの本を読むと公務員試験の概要を把握することができますので、読んでみてください。
公立小中学校事務職員の採用試験の対策(公務員試験)
採用試験の内容は自治体によって異なりますが、代表的なものとしては、
- 教養試験
- 専門試験
- 適性検査
- 作文論文
- 集団討論
- 集団面接
- 個別面接
が挙げられます。
試験の内容は大卒向け(地方上級レベル)と高卒向け(地方初級レベル)で異なりますので、試験対策を別々に紹介していきます。
大卒向け(地方上級レベル)の試験対策
当サイトは地方上級レベルの対策を掲載しているため、大卒の方は当サイトの試験対策記事をご覧いただくと良いと思います。
ただし、短期間で合格するために、教養試験のみで受験することを推奨しているため、上記した試験内容の内、専門試験対策については掲載がありません。
しかし、専門試験以外の対策は網羅しているので、はじめに、公務員試験の対策を一覧にしている、下記の記事をご覧いただければと思います。
高卒程度(地方初級レベル)の試験対策
地方初級レベルの対策については当サイトの守備範囲外ですが、教養試験についてはおすすめな参考書を、その他の試験は当サイトの記事が参考になりますので、ご覧いただきたいと思います。
教養試験対策におすすめな参考書
地方初級対策については、下記参考書を参照して、対策していくことをお勧めします。
この参考書は学校事務についての試験の概要だけでなく、自治体ごとの試験日程、受験資格、試験内容、試験の実施結果を一覧表で見ることができます。
また、教養試験について、地方初級レベルの問題が掲載されていますので、どんな問題が出題されるか把握することが可能です。
まずはこの本の問題を見て、自分の足りない知識を確認し、高校の教科書や公務員試験用の参考書で教養試験対策をしていきましょう。
なお、地方上級レベル(大卒程度)を目指す方にとっても、試験についての一覧表は有用な情報ですので見ていただきたいのですが、掲載されている問題が地方初級レベルになりますので、そこだけは注意してください。
教養試験以外の対策
教養試験以外にも適性検査や作文、面接などの対策が必要です。
基本的には受験する自治体の試験内容について情報収集を行い、個別に対策していくことがもっとも有効です。
ただ、公務員試験は同じような試験内容になる傾向がありますので、教養試験以外の対策については当サイトの記事も参考にしていただければと思います。
まとめ
最後にこれだけは読んでほしいという書籍を紹介して終わります。
記事の最初の方に紹介済みですが、こちらです。
学校事務職員の仕事をよく知ることができるので、本当にやりたい仕事かどうか判断できますし、実際に働いた際のことを想像できる貴重な書籍です。
また、履歴書に書く志望動機や、面接でやりたい仕事などを聞かれた際にも役に立ちます。
ぜひお読みください。
以上、「公立小中学校の学校事務職員」の仕事内容と採用試験の概要&対策でした。