市役所試験の概要と独学で合格するためにやるべき対策一覧
市役所試験に独学で合格を目指している方向けに対策をまとめていきます。
なお、このページは当サイトのトップページで掲載している「独学かつ短期間で公務員試験に合格するための対策一覧」を市役所試験向けに書き直したものですので、内容が被る部分が多々ありますが、ご理解のうえお読みください。
また、私は教養試験のみの受験先を選んでおり、専門試験を受けておりません。
したがって、専門試験に関する情報がありませんので、ご了承ください。
- ① 市役所試験の概要
- ② 受験案内を見て受験資格を確認する
- ③ 試験内容を確認する
- ④ 試験日程を確認する
- ⑤ 試験日から逆算して勉強スケジュールを立てる
- ⑥ 捨て科目を決める
- ⑦ 参考書を選ぶ
- ⑧ 参考書は古本を利用して安く購入する
- ⑨ 1日の勉強の流れを作り実行に移す
- ⑩ 公務員試験に申し込む
- ⑪ 勉強の仕上げに模試を受ける
- ⑫ 履歴書・自己紹介書・面接カードを準備する
- ⑬ 論文・作文の準備から本番への臨み方
- ⑭ 適性検査の対策をする
- ⑮ 集団討論の流れと役割を掴んでおく
- ⑯ 集団面接・個別面接の対策をする
- ⑰ 番外編:公務員試験関連情報
- ⑱ 最後に
① 市役所試験の概要
市役所の試験は受験日が速い順にA・B・C・D日程と呼ばれています。
A日程は主に政令指定都市などの大きな都市が行う試験日程であり、都道府県庁と試験日が被ってきます。
また、都道府県庁と併せて「地方上級」という試験に区分されており、他の市役所試験より難易度が高いとされています。
B・C・D日程は政令指定都市のような大きな都市以外の市役所で試験が行われることが多い日程です。
BとCとD日程で難易度が大きく変わることはありません。
たまにE日程というものを見かけますが、数は少ないと思います。
さて、市役所だけで複数の日程があるということが分かっていただけたと思いますが、日程が多い分だけ、併願ができるという事です。
当然第一志望があるという方が多いかと思いますが、完璧に勉強の準備をしたとしても、試験に100%合格できる保証はありませんので、必ず併願するようにしてください。
② 受験案内を見て受験資格を確認する
地元の市役所など、受験先の候補を抽出した方は、受験できるかどうか判断するために受験案内の受験資格を確認しましょう。
受験資格には「年齢」「学歴」などが指定されています。
試しに、市役所の中で、平成29年の年収が一番高かった神奈川県厚木市の募集要項で受験資格を確認してみましょう。
平成30年度採用試験受験案内のPDFで受験資格をみると、事務(上級)Aの区分では、「昭和63年4月2日から平成9年4月1日までに生まれた人」が条件となっています。
厚木市は、学歴に関して制限がないようですが、制限しているところもあるので気を付けてください。
この後も厚木市を例に紹介していきますが、全て事務(上級)Aの区分について説明しています。
③ 試験内容を確認する
第一次試験の内容
受験資格と同じく、受験案内で試験内容を確認していきます。
厚木市の受験案内冒頭にこのように書かれていました。
事務職は「専門試験」、保健師及び保育士は「教養試験」を廃止することで、既に企業などに就職されている社会人の方なども受験しやすくなっており、厚木市への思いを持った多くの方に受験していただけます。
事務職を受験される方は「専門試験」がなくなったようです。
人口減少と景気が良くなり民間志望者が増えたことで、受験者が減る傾向があるのではないでしょうか。
その対策として、受験へのハードルを下げて、受験者減少を防いでいるように感じます。
全国的に市役所A日程も教養試験のみで受けられる自治体が増えているかもしれませんね。
さて、専門試験がないのはわかったので、具体的に試験の内容を見て行きます。
受験案内には第一次試験について・・・
科目:教養試験(択一式)
試験時間:2時間
内容:公務員として必要な一般的知識及び知能についての筆記試験(大学卒業程度)
と書かれています。
特に変わったことは書かれておらず、一般的な表現なので、普通の市役所A日程の教養試験なのだと判断して良さそうです。
市役所A日程の一般的な教養試験科目は下記の通りです。
なお、市役所B・C・D日程を志望している方は、平成30年度試験から、教養試験の内容が変更されています。
変更点としては「古文」と「思想・文学・芸術」が試験区分から外されたことです。
また試験の種類が「Standard Ⅰ」「Standard Ⅱ」「Logical Ⅰ」「Logical Ⅱ」「Light」と分けられました。
試験の種類については、試験を作っている団体のサイトをご参照ください。
基本的には、大卒程度の試験を受ける方は従来の試験レベルと同等の「Standard Ⅰ」を想定して準備していきましょう。
今後、どの自治体がどの試験を採用しているか、情報が広がってくると思いますが、変更されたばかりなので、市役所側も毎年同じ試験を採用するとは限りません。
そういう面でも、やはり「Standard Ⅰ」を想定して勉強し、どの試験にも対応できるようにしましょう。
前年度の試験科目を知りたい方は「市役所上・中級教養・専門試験 過去問500」を見ることをオススメします。
市役所用の過去問500には、前年の市役所A・B・C日程で出題された各科目の科目数と出題内容を一覧にしてまとめてくれています。
市役所を第一志望にしている人は、勉強にも必要なので、買うべき過去問題集です。
二次試験以降の内容
厚木市(事務上級A)の場合は・・・
第二次試験:集団面接
第三次試験:個人面接
最終試験:個人面接
面接が合計3回になっていますね。
他の自治体では、「作文」「適性検査」「集団討論」などを課す場合がありますので、しっかりと確認しておきましょう。
④ 試験日程を確認する
第一志望以外も受験されると思いますので、受験日が被らないように試験日程を確認しましょう。
平成30年度の厚木市(事務上級A)の場合は・・・
申し込み期間:平成30年4月18日(水)午前9時から平成30年5月24日(木)午後5時まで
第一次試験:平成30年6月24日(日)
第一次試験合格発表:平成30年7月上旬
第二次試験:平成30年7月中旬
第二次試験合格発表:平成30年7月下旬
第三次試験:平成30年7月下旬~8月上旬
第三次試験合格発表:平成30年8月中旬
最終試験:8月下旬
最終試験合格発表:8月下旬
受験案内では一次試験以外の日程があいまいになっています。
私が受験した自治体では、一次試験の当日に二次試験の日程が発表されたり、合格発表日に次の日程が発表されていました。
いずれにしても、公務員試験を受けている間は、他の予定は入れないようにしましょう。
なお、複数の自治体の受験日程や試験内容を一覧で見たい方は、「公務員試験 受験ジャーナルVol.6」の市役所事務系試験ガイドという特集ページを見ると、試験日・年齢上限・試験構成が一目で分かりますよ。
※毎年Vol.6に収録されているとは限りません。内容を確認して購入してくださいね。
また、予備校のLECでも市役所の採用試験日程や試験内容を検索することができます。
LECのホームページでだれでも利用できるので、活用しましょう。
検索ページと検索結果はこのように表示されています。
※画像はLECのホームページより引用
ご覧いただいたように、年齢制限・試験日・試験内容をすぐに知ることができます。
利用上注意したいのは、検索結果は過去の試験についてですので、ご自身が受けられる年の試験内容については、必ず市役所の採用ページで確認するようにしてください。
LECの検索システムはあくまで、参考情報としてください。
⑤ 試験日から逆算して勉強スケジュールを立てる
受験する市役所が決まった方は、受験日程の一番早い日をターゲットにして、勉強スケジュールを立てましょう。
具体的な勉強スケジュールの立て方については、こちらの記事に掲載しています。
⑥ 捨て科目を決める
教養試験は科目数が多いため、戦略上勉強しない科目(捨て科目)を作ることも考えるべきです。
私の場合は勉強をスタートした当初、市役所B日程を第一志望としていたため、平成30年度から試験科目から外れた古文と哲学・文学・芸術分野は勉強しませんでした。
また、試験範囲内でしたが、化学の中の有機化学分野を捨てました。
コスパが悪いと判断したからです。
他の科目については、捨ててよいかどうか検証した記事を書いていますので、見てみてください。
⑦ 参考書を選ぶ
捨て科目を決めれば、勉強する科目が確定します。
勉強する科目の参考書を選んでいきましょう。
私の場合は、公務員試験受かる勉強法 落ちる勉強法という本に書いてある参考書をベースに選んでいきました。
私が実際に使ってみて良かったオススメな参考書をまとめていますので、参考までにご覧ください。
また、教養試験対策には過去問題集を繰り返し勉強することが重要だと思っているのですが、その過去問題集は書店やネットで検索するとたくさんの種類が出てきます。
多くの過去問題集の中で、私が使用した過去問題集の特徴や利用方法についても紹介しています。
⑧ 参考書は古本を利用して安く購入する
参考書を選んだら、購入していくのですが、私が購入した教養試験対策用の参考書だけでも28冊になります。
私は役に立たなかったものや、適性検査、面接対策本などを含めて40冊以上購入したのですが、総額で7万円ほど掛かってしまいました。
予備校よりは安いとはいえ、節約できるところはしたいですよね。
そこで参考書をお得に買う方法があるので、ご覧ください。
参考書を新品・中古で分けて購入する
参考書の中には最新のものでなくても問題ないものもあります。
中古(古本)でもよい参考書について記事を書いていますので、ご覧ください。
ここまでで、参考書購入まで進みました。
続いては、参考書を使った、科目別の試験対策についてです。
⑨ 1日の勉強の流れを作り実行に移す
科目別の対策がまとまったら、1日に行う勉強の流れを作りましょう。
一度勉強習慣ができれば、安定して勉強を進めていくことができます。
⇓例えばこのような勉強計画です。
こちらの表のような1日の勉強計画を作る例を下の記事で紹介しています。
ご参考までにご覧ください。
勉強計画を1日単位まで落とし込んだら、いよいよ勉強開始です。
継続が一番大事です。着実に進めていきましょう。
⑩ 公務員試験に申し込む
勉強をやっている途中にやらなければならないのが、試験への申し込みです。
これを忘れては全てが水の泡です。
忘れずに申し込みをしましょう。
申し込み時期の目安を記載しておきます。
市役所A日程:4月下旬~5月上旬
市役所B日程:6月上旬
市役所C日程:8月上旬
市役所D日程:9月上旬
受験先によって申込期間は異なりますし、年によって違うこともありますので、必ず各市役所の採用ページをチェックしましょう!
場合によっては、申し込み時点で、履歴書等の提出書類が必要になることがあります。
直前になって焦らないように、受験案内をしっかりと読み込みましょう。
なお、履歴書対策は後ほど紹介します。
⑪ 勉強の仕上げに模試を受ける
勉強が終盤を迎えた際にやってほしいのが、模試を受けることです。
実力が付いているかどうか確認できるということと、間違えた問題の分野を勉強しなおすことで得点力がすぐにアップするからです。
私は、時間がなかったので、「受験ジャーナル内の予想問題」を利用しました。
ただ、時間があれば合格判定のでる予備校の模試を受けたかったです。
様々な予備校のホームページを確認しましたが、私としてはLECの模試が充実していると感じました。
予備校・参考書を利用した自宅で受けられる模試を紹介した記事がありますのでご覧ください。
⑫ 履歴書・自己紹介書・面接カードを準備する
試験の申込時や面接試験の前に履歴書などの提出を求められます。
なお履歴書に書く志望動機や自己PRの例文は本ページには掲載していません。
例文を見たい方は他のサイトを見てください。
ネットで例文を見て、参考にすることは良いですが、丸写しにするべきではないと思っています。
それは、面接の際に、自分の考えた文章でなければ、整合性の取れた受け答えができないからです。
例文はヒントを得る程度にして、自分で考えた文章を書いていきましょう。
⑬ 論文・作文の準備から本番への臨み方
論文試験の対策はやってもやっても終わりがありません。
事前にテーマが発表される場合はよいのですが、何も発表されない場合は、どこかで区切りをつけなければ、本当に終わらなくなってしまいます。
そのような性質の論文試験対策について、終わりの見える方法を提案した記事を書いています。
この記事には論文試験本番での時間の使い方についても言及しています。
論文の対策に困っている方はご覧ください。
⑭ 適性検査の対策をする
一口に適性検査と言っても様々な問題が用意されています。
受験案内には適性検査としか書かれていませんが、ある自治体では「クレペリン検査」であったり、また他の自治体では「事務能力検査」だったりします。
私が受けてきた適性検査についてお伝えした記事がありますので、適性検査とはどんな試験内容なのか、事前に確認するようにしてください。
⑮ 集団討論の流れと役割を掴んでおく
集団討論は試験官から出されたテーマについて論じていきます。
ただし、出されるテーマはほとんど事前に公表されることはありません。
それでは対策に困ると思われるかもしれませんが、よく出されるテーマに関しては、インターネットや対策本に情報が出ています。
そのテーマをみると、論文テーマと被っている部分が多いです。
したがって、集団討論のテーマの知識を蓄えるのは論文対策とセットで良いと考えています。
上記した論文対策の記事内でも紹介している「論文試験 頻出テーマのまとめ方」という参考書を読んでおきましょう。
また、本番当日の集団討論の流れと役割は決まっています。
試験官からやり方を指定されることはなかったのですが、受験生は事前に集団討論について調べてきていますので、暗黙の了解で決まった流れで討論が展開されていきます。
皆さんも集団討論の流れと役割を事前に勉強しておきましょう。
⑯ 集団面接・個別面接の対策をする
面接はよほど喋りが上手い方や頭の回転が速い方を除いて、入念な事前準備が必要です。
面接の事前準備や面接を受けて感じたことを記事にしていますので、対策を万全にするために、記事をご覧下さい。
⑰ 番外編:公務員試験関連情報
ここからは番外編として、公務員試験関連情報をお送りします。
市役所の平均年収ランキング
働くにあたって、一番気になるといっても過言ではないのがお給料ですよね。
私も気になってランキングを作りましたので、ご覧になってください。
加えて、給料や年収の調べ方についても紹介した記事がありますので、志望先の給料を知りたい方はご覧ください。
公務員試験の際の服装について
私が受験した期間は全てクールビズ期間(5~9月)でしたので、クールビズ期間にどんな服装で受験したらよいか記事にまとめています。
⑱ 最後に
当サイトは受験の実体験をもとに、教養試験のみで受験する場合の対策を中心にご紹介しております。
教養のみの受験にしようかどうか迷っている方がいれば、こちらの記事をご覧ください。
また、教養のみで受けられる試験の探し方について書いた記事もありますので、ご覧頂ければと思います。
以上で、「市役所試験の概要と独学で合格するためにやるべき対策一覧」を終わります。
大変長い文章を読んで頂きありがとうございました。
皆さんの市役所受験のためにお役に立っていれば幸いです。
読み直したい箇所がある方はこちらの目次をご利用ください。
- ① 市役所試験の概要
- ② 受験案内を見て受験資格を確認する
- ③ 試験内容を確認する
- ④ 試験日程を確認する
- ⑤ 試験日から逆算して勉強スケジュールを立てる
- ⑥ 捨て科目を決める
- ⑦ 参考書を選ぶ
- ⑧ 参考書は古本を利用して安く購入する
- ⑨ 1日の勉強の流れを作り実行に移す
- ⑩ 公務員試験に申し込む
- ⑪ 勉強の仕上げに模試を受ける
- ⑫ 履歴書・自己紹介書・面接カードを準備する
- ⑬ 論文・作文の準備から本番への臨み方
- ⑭ 適性検査の対策をする
- ⑮ 集団討論の流れと役割を掴んでおく
- ⑯ 集団面接・個別面接の対策をする
- ⑰ 番外編:公務員試験関連情報
- ⑱ 最後に